NEWおっさん

ダーク・プレイスのNEWおっさんのレビュー・感想・評価

ダーク・プレイス(2015年製作の映画)
3.5
「過去と決別するために」

「ゴーン・ガール」の原作者ギリアン・フリンの小説「冥闇」を映画化。28年前の一家惨殺事件の生き残りの末っ娘、リビーが真相を探るというお話。過去と未来をザッピングしながら展開していく。

主演のシャーリーズ・セロンはアルコール依存症の父親による家庭内暴力に母親が父親を射殺してしまうという事件を実際に体験しているだけあって、役所がちょっとダブったりしたんじゃないかと言うぐらい、演技がリアルだった。

真相を探ると言っても、最初は嫌々で金の為に仕方なく動き出す、と言った感じなのがなんか斬新。生き残りとして、事件の寄付や自叙伝の印税でニート同然に暮らしていたってのが面白い。そこから「殺人クラブ」なるサークルの誘いを受けて徐々に真相に近付いて行く。

惜しいのはこの殺人クラブという面白そうなサークルの使い方を持て余してたコト。リーダーのライルは終始、手助け役として出てくるが、その他の面々は冒頭以外に一切出てこない。本筋にあんまり関わってこないのが残念。

「ゴーン・ガール」と違い、派手さはなく、真相もドンデン返しとまでは行かないちょっと乗れない人も多そうなオチだが、時が止まっていた1人の女な再生物語として、丁寧に纏まっている。上質なミステリーとして十分楽しめた。