emily

さよなら歌舞伎町のemilyのレビュー・感想・評価

さよなら歌舞伎町(2015年製作の映画)
3.8
新宿歌舞伎町のラブホテルで少しずつ交わりあう、男女5組の一晩の出来事を描く群集劇。
徹は一流ホテルで働いてると彼女沙耶(ミュージシャン)に嘘をつき、ラブホテルの店長。彼の働くラブホテルにいろんな人が出入りする。時効間近の男をかくまう清掃員の女、デリヘル譲で韓国へ帰国が決まってる女(彼氏あり)、家出少女に風俗スカウトマン、W不倫の刑事。5組が交わりあって、歌舞伎町の現状に社会問題も入れ込み何かの終わりに向かってカオスを迎える。

それぞれ事情があって、それらの悲壮的な部分が少しずつ交わりあい、非常ベルの音と共にそれらがカオスに向かって進んでいく。何かの終わりに向かって。

ラブホテルが物語の中心となり、夜から朝までの短い時間の中で、リアリティのある人物像達が時に滑稽で共感できて、応援したくなったり、ほっこりできたり。

冒頭とエンディングの前田敦子の弾き語り・・へたくそなギターが味があって、歌声が心にしみた。
特に印象的だったのがデリヘル譲の韓国人女性。こんなに誠心誠意仕事に誇りをもってやってる女性も居るんだぁと。
どんな仕事だって、立派な仕事だし、どんなやり方だって、それは尊重すべきだなと改めて感じた。

長い夜が明けて、新しい一日が始まる。
また新しい一日の始まりだ。
emily

emily