『言の葉の庭』を観たばかりで、同作を連想させるようなタイトルだな〜と思っていたら、割と詐欺じゃねーか!この邦題は否定派が多そうだ…。
自身の運転する車を事故らせてしまい、同乗していた妻を亡くしてしまった男性が主人公で、周囲は同情の視線を向けるが、彼はいつも通りの日常を過ごしていく。妻が亡くなったというのに、寂しさが全く去来してこないのだ。
タイトルは忘れたけれど最近似たような邦画があったなあ…と思いながら観ていて気付いたのは、この主人公は心が欠落しているのではなく、超マイペースな人間であるということ。妻に対する思いを、自販機の消費者窓口宛の手紙にしたため、どこかで号泣するのかと思いきや、涙無しにほぼ2時間を駆け抜けてしまう。
社会に生きる人間にとって、どれだけ行動や性格をマイペースのまま生活しても、感情のマイペース化は難しいのかもしれないなと感じた。嬉しいという感情、悲しいという感情を思い浮かべて、表情や言葉や行動でそれを示そうとすると、TPOの存在がそれを邪魔する。妻が亡くなったのにディズニーランドへ行くなんて不謹慎、と宣う方には向いていない作品かもしれない。