KANA

世界一キライなあなたにのKANAのレビュー・感想・評価

世界一キライなあなたに(2015年製作の映画)
3.7

2〜3ヶ月前、YouTubeの下の方でたまたま目に入った
『彼女は安楽死を選んだ』
という番組を観た。
難病を患う、利発で機知に富んだある日本人女性が尊厳死について確固たる思いを語る姿、
スイスにて文字通り最後の晩餐や、姉妹に看取られながら投薬されて死ぬ瞬間・直後の様子まで生々しく映し出されていて、とてもとても衝撃的だった。
3回くらいフルでリピート再生してしまった。
…その際に初めて知った、世界で唯一、外国人の自殺志願者を受け入れているスイスの自殺ほう助団体「ディグニタス DIGNITAS」の存在。

この映画にはその名が登場する。

安楽死・尊厳死についてはただでさえ物議を醸し出すテーマなので私の意見をここで断言するのは控えるとして、
映画の結末として個人的にはこれで大正解だと思う。
もしもルイーザによってウィルの意志を変えることができてたら、なんてありきたりなベタベタラブストーリーだったことだろう!
まさに良作と駄作を分けた点に思える。
ジャケットからはニコラス・スパークス臭しかしないけど笑

一見キッチュでダサダサセンスのルイーザに生き方のポテンシャルを見出し、嬢王様気取りの女性にはない朗らかな温もりを感じ出すウィル。
執行猶予期間の一連のbucket list実行で、相手のイキイキした姿を見て満たされた気分になったのはルイーザというよりむしろウィルのほうに見えた。
出会った当初はあんなに上から目線でゴミ扱いしてたのに。
彼女のなりふり構わずいちいち大はしゃぎする姿に次第に“生”を感じていったのかな…
しましまタイツ🎁のくだりにもジ〜ン。。

はじめは勝ち組ライフのプライドにしがみつく鼻持ちならないボンボンに見えたウィルだけど、
ラストの粋な計らいに彼の魂のレベルの高さを感じずにはいられなかった。


P.S. 私なら自分がフった男性を結婚式に呼ぶなんてとてもできないけど!?
KANA

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