ジェットコースタームービーってのはさ、落ちるぞ落ちるぞってところをじっくりやってくれないと、疲れるんだよね。それともおいらが年取っちまったのが問題なのか。
いずれにせよ、トム・クルーズがトム・クルーズしてれば、多少そうなるのはしかたがない。だからアナベル・ウォーリスは走らなければだめで、走る姿は悪くない。でも泳ぐところはダメ。エロスが足りない。
エロスどころではない魅力を放っているのがソフィア・ブテラ。この映画は最初から最後まで彼女を見てればよいのであって、最後にあの『ドグラマグラ』の「死美人図」みたいなことになっちまうところで、ぐっと無情をかみしめればよいのだ。
だからあとは、あとはクルーズが神になろうが、ラッセル・クロウの注射が間に合おうが合うまいが、ダーク・ユニヴァースがどうなろうが、そんなこと知ったことじゃなくて、どこかでブテラちゃんの御身姿を拝謁できれば、それだけで幸せなんだよな、なんて言ってるってことは、おいら、呪われたのかもね。