抗ガン剤開発に取り組む製薬会社の研究員ベスたちは会社がすでにガンの治療薬の開発に成功しており、自社の抗ガン剤を売るためにそれを隠していた事実を知ってしまうが…というストーリー。
ウイルスが蔓延し、隔離された研究所で感染と会社から放たれたヒットマンの脅威にさらされるサスペンス・スリラーです。
ガンの治療薬開発の事実を知ったベスたちを消す為に、研究を指揮していた会長は研究所を封鎖し、抹殺部隊を派遣する。ベスたちは抹殺部隊と攻防を繰り広げながら研究所からの脱出を目指す、という内容です。
アウトブレイクとタイトルついてますが、舞台になるのは製薬会社の研究室のみで、感染する人も終盤まで一人だけなので全然アウトブレイクという感じはしないですね。主人公二人も防護服着ちゃうので終盤になるまで感染のリスクほぼ無くなってますし。なので感染要素に期待したらガッカリすると思います。
どちらかというと、会長から隠蔽のために派遣された抹殺部隊との攻防の方がメインになってますね。といっても低予算だからか部隊も4人くらいしかいませんし、ほとんど逃げる主人公達をアサルトライフル構えながら探してるシーンばかりですね。銃撃してくるシーンも少ないですしアッサリしてます。メインの登場人物もヒロインと同僚の恋人、会長に弱みを握られて不法移民？を実験体に人体実験行っていて、アクシデントから感染してしまった上司の科学者の3人だけですし。
この手の映画では設定では高学歴のはずの登場人物がアホな行動取ったりしがちですが、本作のヒロインは研究所内にある薬品を掛け合わせて脱出したり敵に対抗したりしてちゃんと頭使ってると感じさせてくれるところは良かったですね。
ヒロインは幼い頃に父親を癌で亡くしていて、抗ガン剤開発に全力を注いでいて、治療薬開発していたのにそれを秘匿していたり、人体実験を行っていた事実を知って怒りに震えたりとかなり正義感の強いキャラですね。演じた女優さんはちょっと爬虫類入ってるクール系なかわいい子でした。
ヒロインの恋人も割と金や名声に目がくらむタイプで、一緒に逃げる上司にそそのかされたりして、ヒロインの脅威になるかも…と感じさせる存在でもあります。
人体実験を行っていて、ウイルスに感染した上司の研究者テッドは、助かるために主人公達に治療薬作らせようとしたり、恋人を唆して治療薬手に入れようとしたり、主人公達が実験台として連れてこられてウイルスに感染した女性を救おうと開発した治療薬をその恋人脅して奪おうとしたりと、ただでさえ抹殺部隊に追われているという状況をさらにややこしくしてくれます。でも、この人が実験に協力し始めたのも病気で余命限られた息子を救うためだし、色々やらかすのも生きて元気になった息子にもう一度会うためなんですよね。それでもやらかしすぎではあるけど。
重傷を負いながらも外に出たヒロインが治療薬のデーターが入ったUSBメモリを持って森を走る中、幼い頃に父親を亡くした記憶と混ざり合って、現在のヒロインが父親の病室にUSBを持って行こうとするシーンや、ベッドで寝ている父親がUSBを手にして「ベㇲ、頑張ったね」と声をかけてくれるシーンはグッときました。
ラストもベタだけどキレイに終わったと思います。
タイトルから想像させるような大掛かりなウイルスパニック要素は薄いですし、アクションなども派手な所はないですしスローや回想シーンも多用されてますが、低予算ながら真面目にシリアスなムードで作られてはいるので、それなりに見れる作品ではないかと思います。

ジャケットほど壮大では無かったけど一応ジャケット通りに感染モノかつ企業の陰謀を暴くストーリーでまあまあおもしろかった。
安っぽいラボ内で語り合うシーンとかがちょっと長く感じた

記憶。