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ババドック 暗闇の魔物のemilyのレビュー・感想・評価

ババドック 暗闇の魔物(2014年製作の映画)
4.0
事故で夫を亡くし、思ったことをすぐに口に出してしまい問題ばかり起こす息子と二人、介護の仕事と育児に追われ日々暮らしていたアメリア。あるとき”ババドック”という絵本を息子が見つけ、息子に読んで聞かせるが、あまりにも不気味な物語のため絵本を隠すが、生活疲れや夫の死、息子の問題などの生活疲れから、ババドックの妄想が膨らみ、やがて支配されていく・・

問題のある息子、夫の死、そうしてアメリア自身も介護の仕事をしており、心の悪がババドックに乗っ取られてく感じ。誰にでも訪れる可能性のあるババドック。必死に抑えてた物は何かの形で出さないといけない。それがババドックという形で理性に負けて出てくる感じ。徐々に侵されていく描写の表情、歩き方ひとつ非常にリアリティのある演技。
影だったり、配置の工夫、音の交差でひきつける恐怖感もかなりのもの。母の良の部分と悪の部分を区別した演技も見事で、そこに絡んでくるピュアな子供の母を愛する気持ちにも心を打たれる。

誰にでも抱えてる闇の部分。ため込んでいると爆発したときが怖い。ババドックはそんなアメリアの心を救い、大事な物に気づかせてくれた物。魔物でありながら、ちゃんと飼いならす事ができたら、何も問題ないのだ。

ホラーでありながら、しっかりとメッセージ性もあり、家族の愛がテーマとしてあるので、見終わった後、じんわりと感動を呼ぶ。
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