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ある神父の希望と絶望の7日間のtransfilmのネタバレレビュー・内容・結末

4.2

このレビューはネタバレを含みます

アイルランド/イギリス映画。
邦題は「ある神父の希望と絶望の7日間」で
内容はタイトル通り、
ある村人から「来週の日曜日に川岸でお前を殺してやる」と
宣言された後の、神父の7日間を描いています。

この7日間で、神父は村人たちの失われている信仰心、それどころか信仰に対し懐疑的な心情に直面するけれども、
逆に言えば、この映画に出てくる村人たちは皆、心の奥で何かに助けを求めてる人たちでもあったと思う。
だけど、もはや助けを求める「何か」は神じゃない。
この映画が描いているのは、それが「現代の信仰心」であり、
もはや信仰に生きること、美徳を重んじて生きようとすることは苦難でしかない・・といっているかのよう。

ラストシーン、娘役を演じたケリー・ライリーは電話越しで何かを伝えようとしていたけど、
「伝えようとしていた言葉は何か?」
という質問に対しては、きっと皆さん同じ1つの答えになると思う。
だけど、「伝える前に流した涙の意味は?」
という質問に対しては、
もうたくさんの答えが出てくると思う。
このラストシーン、ケリーライリーの流した涙の意味を考えることに、この映画を観る意味が集約されていたとも思う。

ものすごく渋い映画だと思う。
渋さで言えば、今年No.1の映画でした。
あまり万人受けはしないと思うけど、個人的にはとても気に入りました!
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