FutosiSaito

ストレイト・アウタ・コンプトンのFutosiSaitoのレビュー・感想・評価

3.9
 『スクール・オブ・ロック』より、エミネムの『8マイル』に近い。
 廃工場が並び、廃れたデトロイトを舞台としたエミネムの半自伝映画と、コンプトンというアメリカ屈指の犯罪都市から、ギャングスタ・ラップを武器に世界へデビューしたN.W.A.の映画は似ている。
 ひところは映画に出まくり何気なく見ていた「アイス・キューブ」って、こんな偉大な人だったのかとか、スヌープ・ドッグとか、「b」マークのヘッドフォンは、ここに出てくるドクター・ドレが設立したとか、驚いた。
 また、ドラッグやギャングなど現実の厳しさも、黒人に対する偏見や圧力もよくわかった。
 ただ、同じくコンプトン出身のプロデューサー、ジュグ=ナイトの横暴な様子や暴力的な側面は、コンプトンの問題性を匂わせている。
 メンバーの弟が喧嘩で亡くなったりというのも、そうだろう。
 単なるサクセス・ストーリーでもなく、音楽映画でもない。
 そこが心に沁みた。
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