Melko

マイ・ベスト・フレンドのMelkoのレビュー・感想・評価

マイ・ベスト・フレンド(2015年製作の映画)
3.7
悩める女2人の、友情と衝突と出産と終活の物語。

ベタベタな展開と結末ながら、最後はしっかり泣かされた。
乳がんと妊娠という、女性特有の問題に立ち向かう。
個人的には、2人の中身と外見を考えるとトニコレットとドリューバリモアは役が逆なんじゃないか?と思ったけど、
ドリューに対して破天荒なイメージしかなかったから、親友に気を遣うがあまりストレス溜まって苦笑いするとか、思いやりたっぷりに笑うとか、「あれ、こんな表情もできるのか、」と新しいドリュー見れたから、まあいいか。

女の友情は、その当人にしかわからない。
ハタからみたら、ミリーはわがまま放題。
ジェスが後半でキレるのもわかる。いくら寂しいからって、子どもほったらかしで他の男に抱かれに遠出はいけません。
でも、いままでずっと一緒だったからこそ、いつだって元気いっぱいでチャラかった親友が、病気になってから弱っていくのを間近で見て、やるせなさやツラさが痛いほどわかるからこそ、気を遣ってしまう。
うっとうしいけど離れられない。

だって、親友だから。

何がなんでも出産には立ち会う。
ホスピスから、もはや気合いだけで駆けつけたミリー。親友が手を握ってくれたら、なによりも強い力が湧いてくる。
家族じゃないんだけど、家族。
消えようとしている命が、生まれようとしている命に立ち会う場面は、美しくて涙が出た。

噛み合わない仲の母親が、自分より先に旅立とうとしてる娘に必死に尽くそうとするところとか、分かり合えない夫との冷めきっていく仲、心の底から愛して信頼してくれてる子どもたちとの絆。
感動の押し付けではなく、あくまでミリーとジェスの女2人を中心に話が進む。

頭空っぽで笑えた子ども時代から、時を経て痛さもツラさも乗り越えて、また親友に戻れた。最期の瞬間に、いて欲しい人にいてもらうのは、自分の行い次第。
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