ブタ野郎

地上の星たちのブタ野郎のレビュー・感想・評価

地上の星たち(2007年製作の映画)
3.7
むちゃくちゃ良かった。

シンプルな構成のお話だけれどもその分テーマがどっしりと入ってきて素直に感動出来る。

見ていて小学校の時間を思い出す映画だった。不器用な子供の動きや感覚が周りの子含めてどこか覚えがあり、反省や肯定が次々と心にぶち込まれていく感じ笑

先生と会うまでがなかなか辛い。救いが無いというか親の理解がまったく追いついていなくて嫌な気分になる。反抗さえも抑え込まれるという地獄は胸がギュッとなる。
その分後半にかけてのカタルシスが大きくて見終わった後の爽快感は半端じゃない。

嫌なやつは多いけど嫌な奴ばかりでなく、そんな出会いが良い。クラスメイトの松葉杖の男の子や先生や兄とのの交流は温かくてホッとする。
アーミルカーン登場時の安心感ときたら無い笑
歌って踊っての登場なので、もうテンションも上がる。ずっと待ってた。

絵のクオリティや、主人公が自身の力を少しずつ見せていく過程、恥ずかしがって前には出れない姿勢等々、全部含めて愛おしい。

主人公の頭の中の演出や絵が動く様な演出もかなりマッチしていて良かった。ハッピーなイマジネーション。

ただ長さが結構こたえた。
少し尺が長過ぎる気がする。その分積み重ねでのカタルシスは得れるけど、不遇のシーンが多く、個人的には物語の運びは淡々として見えた。
なんというか、主人公の情報は分かったのに新しい情報はあまりなく、ずっとその情報や状態が映されているので、少し疲れる。
迫力のある画面もそこまで感じず、ラスト付近でようやく画面に映る大勢で迫力を感じた。子供の目線を追っているので現実だと規模を小さく感じてしまうのかも。

それでも子供の性格や持っているものを見極めて背中をそっと押してくれる素晴らしい大人の先生はかなり魅力的。

今後に置いても心の姿勢としてインプットしたいと思える価値を見出せた映画。
ブタ野郎

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