ブタ野郎

メランコリックのブタ野郎のレビュー・感想・評価

メランコリック(2018年製作の映画)
3.5
面白い!

ごりごりのサスペンスフルを期待していたが、その予想は裏切られてサスペンスなのかドラマなのか、良く言えば絶妙な雰囲気が画面内に常にあってシュールな世界の映画だった。
悪く言えばとっ散らかっている印象があり、ややチープさを感じざるを得ない。

田中を殺そうとするあたりから映画が少し化けたかな?という印象で、そこからのテンポはめちゃくちゃ面白かった。
あとは割と淡々としていて、殺しという非日常が東大卒のうだつの上がらないバイトくんの日常でしかなくて、自分がバイトしていた時の感覚が鮮やかに蘇ってきた。
予想外のトラブルからバイト終わった後の3秒で寝れるとか凄い覚えある。

松本くんもいい同僚で素直に応援できるのも良かった。主人公はやや鬱陶しい所も目立つけど、含めてリアリティは担保されていて良かった。

演技やカメラワーク等画面内にチープな感覚はあって、どうしたって終わってからもそこは気にはなるけど、完成度は高い印象。
だからこそ個人的にはもう少しカメラワークは面白くして欲しかった。小野寺さんが撃たれて運び込まれたところはもう少し照明なり構図なりでめちゃくちゃバシッと締まった画面になりそうなのに、絶妙に気持ち良くない画面でなんだか痒い笑
そんな感じのが多かった。でも大体こういう低予算のおもしろい映画はカメラワークよりもこだわる部分があるんだろうなと納得。正直カメラワークは分かりやすさが一番大事だし笑

期待のベクトルは違ったけど、概ね面白さは期待の通りでいい映画だった。
ブタ野郎

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