ブタ野郎

コーダ あいのうたのブタ野郎のレビュー・感想・評価

コーダ あいのうた(2021年製作の映画)
3.6
良かった。

めちゃくちゃ良かったんだけど期待値上げすぎたのかな?なんかそんなにグッとこない。

内容はベタベッタのベタで綺麗なお話し。下ネタのくだりや家の中や街全体のそこまで綺麗じゃない全体の雰囲気は生っぽくて良い。

音楽は盛り上がる曲や爆音で聞けばなんとなく全部良く聞こえる程度の感性しか持ち合わせてないのもあってそんなに特出したものは感じなかった。歌声が綺麗で上手いのは分かる。
無音の演出は凄く良かった。家族が感じる聴者からみた違和感が物凄い。何も聞こえないのにみんな涙ぐんでたり拍手したりと耳が聞こえないというのはこういう事かと体感させられて、このシーンだけでも見て良かったと思える。

ルビーは基本いい子で学校で浮いていて歌が上手くて友人よりかは貞操観念しっかりしていて特殊能力があってクソ綺麗という好感度上がらんやつそんなおらんやろというちょっと卑怯とも取れるキャラクターだったのが素晴らしい。
こんなキャラに困難ブチ立てまくったら応援するっきゃないわ。
だからこそ先生や彼氏との関わりもちょっとルビーに気持ち偏ってしまいヘイトは普通よりも溜まりがち。

家族内関係はバッチリ。めちゃくちゃ最高だった。それぞれの考え方やルビーへの接し方お互いのリスペクトや頼り方がしっかり詰め込まれていて物凄く近いのに心の距離が遠いのが表れてルビーの感情にかなり没頭出来る。
物語が進む事にそれがちゃんと穏やかになっていくのも爽やかで見ていて気持ちが良かった。
見終わった後は綺麗な心になる。

お父さんに歌を歌うシーンや歌いながら二階席に手話を飛ばすシーンや兄貴と妹の会話等涙腺に来るところが何箇所もあって印象的。

個人的に絵や音楽というものは言葉で表せないものを表現出来ると考えていて、手話というものは言葉の代わりではなく、それに近いものかも知れないなと歌いながら手話をするシーンて感じた。そのシーンだけではなく感情に直接訴えるような映像が見れて大満足。

最高によかった!

こういう世界に受け入れられて然るべしって言う違いをテーマにした作品やいわゆる褒められるべき作品は昔から沢山あってフォーマットというかテンプレが出来すぎていてもうお腹いっぱいで飽きたというのもある。絶対に価値はあるしこれからも見られるべき作品は多いと思うけどなんかそこも包括したフレッシュなものも見たいね。

個人的な好みでいうとそんなにハマりはしなかったけど上質な感動と爽快感を与えてくれるいい映画だった。
見終わった後に色々考えるとこの先大丈夫だろうか?という事もあるけど、そういう事考えてる時点でしっかり自分の中で存在感がある映画だったのかも。
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