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地上の星たちのRRRのレビュー・感想・評価

地上の星たち(2007年製作の映画)
3.5
PKなどでもお馴染みのアーミル・カーンが主演と監督を務めた作品。
監督まで出来るなんて天才か。

あらすじとしては、ディスレクシア(難読症)の少年イシャーンが地域の学校では落ちこぼれ扱いされてしまい、進級できずに退学。発達障害と認めたくない父親は全寮制の学校に入れることに。
しかし更に厳しい教育方針にイシャーンは心が壊れてしまう。そこで出会った同じディスレクシア持ちの美術の先生が、彼に症状のことを話し絵の才能を発掘する、という話。

ディスレクシアの症状としてスペルや数字が鏡文字になってしまうようだが、映画上ではイシャーンの頭の中で、空想のようにスペルが踊り出したりするシーンがあり見ていて楽しい。
だがストーリーとしてはシリアスで、イシャーンが落ちこぼれと言われて心が折れていく様は見ていて辛いものがある…。
インドでは日本のように、中学までは授業に出ずとも全ての生徒を進級させる仕組みはなく、小学校でも単位が取れなければ進級は出来ない。
父親の「競争社会に勝たなければ」という思想や息子を「使い物にならない障がい者と同じにするな」といった発言はかなり厳しく感じたが、人口の多いインドではそういった価値観がもしかしたら普通なのかもしれない。

その中でも1人の美術の先生が少年の症状を理解していたことで、イシャーンは決して頭の悪い子ではないこと、絵に秀でた才を持つことを家族とイシャーン自身に伝える。
父親は厳しいけれども決して息子の将来を諦めた訳ではなく、心の底から愛していただけに息子に厳しくしていたのだと思う。症状を知り息子を追い詰めてしまっていたことに後悔し、人知れず涙を流すシーンが何とも心苦しい。

すべての親にも同じことが言えなくはないだろう。子供のためと厳しくする親は沢山いる。だけども思いやりをもって褒めてやり、伸び伸びと自由に、子どもの意志を尊重することも大事だ。
“すべての子どもたちが宝物”なのだから。
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