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デッドプールのdm10foreverのレビュー・感想・評価

デッドプール(2016年製作の映画)
4.0
【いい意味で「壊す」】

今年の洋画(特にハリウッド作品)のキーワードは「続編」「リブート(リメイク)」「スピンオフ」でしたね。
これはこれで楽しいからいいんですが、コアなファン以外のいわゆる「ライト層」は一歩間違えれば置いてきぼりを食らいますよね。

ハリウッドの弾切れ状態は今に言われ始めたことではありませんが、年々状況は悪化しているような気もします。X-MENやスターウォーズ、スタートレック等のように元々「シリーズ」で描いているものであればわからないでもないですが、突拍子もないところからスピンオフとして映画化するのは・・・風潮なんですかね~。


で、今作ですが、やはり位置づけとしては「X-MEN」シリーズのスピンオフです。同シリーズからは、過去にも「ウルバリン~サムライ~」などのスピンオフも作られていましたが、全く別の角度から作成したのは今作が初でしたね。

とにかく「下品」「グロ」「エロ」の三拍子揃った『トンデモ映画』に仕上がってしまいました。
ただそこだけ言えば単なるB級作品という扱いになってしまうかと思いますが、そこで終わらないのが「デップー」です。
あえて自身をB級的に位置づけた上で映画における「第4の壁」の破壊に成功しているのです。
つまり、物語の中に存在しない「観客」との間にあるカメラやスクリーンというものを逆に利用しストーリーの進行に上手く取り入れているのです。
この手法は一歩間違うと「ずるすべり」になる危険も孕んでいるため、あまり多くは用いられません。でもこの映画に関しては違和感なく観れたな~。
何よりデップーがキャラとしてとても際立っていた。X-MENという組織の存在も認めつつ、決して物語の核には入れさせず、あくまでも主役はデップーというところが気に入りました。
点数以上に記憶に残る作品でした。
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