あまね

デッドプールのあまねのネタバレレビュー・内容・結末

デッドプール(2016年製作の映画)
2.5

このレビューはネタバレを含みます

末期ガンの宣告を受けた元特殊部隊員が主人公。
恋人のためにガンを克服しようと怪しげな組織に縋ったところ、ミュータント遺伝子を注入され、不死身の肉体を手に入れることになる。しかし、その代償はあまりにも大きく、世にも醜い姿に変じ、恋人との再会もままならない状態に……。
主人公は、自分の身体も心もボロボロにした組織に復讐を誓い、実行する――。

マーベル作品をほとんど知らない状態で視聴。
正統派ヒーローとは違う破天荒なヒーローと聞いて興味を持ったものの、『おバカヒーロー』の評判とは裏腹に、ストーリーは真面目な印象だった。
確かに正統派ではないと思う。
デッドプールは人助けにも世の中を良くすることにも興味はない。
あるのは恋人への想いと、組織への恨み。やっていることは個人的な復讐だ。徹頭徹尾、彼は自分のことしか考えてない。
なるほど、そういう意味での『破天荒なヒーロー』なんだなぁと観終わって納得した。
ヒーローとしての在り方が破天荒であって、キャラクターがぶっ飛んでるというわけではなかったらしい。
キャラクター性の意外さを期待していた分、そこはちょっと肩透かしを食らった気がした。

ストーリーは、個人的にはラブストーリーだと感じた。
純愛といってもいいんじゃないかな。
あまり凝った深みはなくて、主人公の復讐劇と恋人への想いが綴られている王道のパターンだと思った。
確かに下ネタは多いけど、物語の軸が破綻するほどのものではない。
エログロありで、派手なアクションを堪能しつつ一気に観られる映画だった。

構成はちょっと変わっていて、現在の事象を追う一方で主人公の思い出話にダイブするというのを繰り返し、現在と過去双方から時間を前に進めていく。
その中で、主人公が観客に向かって話しかけるなんていう部分もあって、トリッキーなつくりにしてるなぁという印象だった。
ただ、全力で遊んでいる……というほどではなかったかも。
あ、でも下ネタは結構あったな。

総合すると。
期待していたほど派手にぶっ飛んでるわけではなく、普通に王道な映画だった。
アクションは派手でなかなか良かったし(刀のアクションもガンアクションも両方好きだった)、ラブストーリー部分も重くなく後口が良い。
『ヒーローとはかくあるべき』という確固たるイメージを持つ人からすると破天荒なあり得ないヒーローものなのかもしれないけれど、色んなヒーローがいるよねっていう気質の人だとそこまで驚かない映画かもしれないと感じた。
あまね

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