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家族はつらいよのRyuのレビュー・感想・評価

家族はつらいよ(2016年製作の映画)
3.8
親子3代で暮らす賑やかな平田家。父 周造が誕生日を迎える妻 富子に「何か欲しいものはないか」と聞くと、富子は離婚届を取り出す。両親が離婚する と言い出して、子供たちは大慌て。家族会議を開いて何とかしようとするのだが⋯。

小津安二郎の「東京物語」を山田洋次がリメイクした「東京家族」のキャスト陣と家族構成はそのままに別の家族として、今度は熟年離婚問題を描いております。劇中で「東京家族」のポスターや「男はつらいよ」のポスター・DVDが写っていたり、周吉が「東京物語」を観るシーンがあったりします。
「東京家族」と比べると今作は喜劇に振り切っており、笑えるシーンも多々ありました。家族構成は一緒ですが、キャラクターは違います。橋爪功は平山周吉よりもこっちの平田周造の方がハマってると思いました。妻夫木聡は「東京家族」のキャラクターと随分違うからか、序盤は違和感あったんですが後半にはそこまで気にならなかったです。西村雅彦のおとぼけ感もおもしろい(笑)。あとのみんなはそこまで大きくは変わっていなかったかな。
やはり現代に現代劇としてやるには昭和感が強すぎるとは思いますが、自分はこれが山田洋次らしさだと思っています。
実際、現代にこんな家族は少ないでしょうし、自分の家族がこんなだったらめんどくさいとも思いますが、蒼井優の「家族でこんなに話せるのが羨ましい」という気持ちもちょっとわかります。まぁ、その間くらいがちょうどいいのかもしれませんね。
テンポの良さ、笑い、そして温かさ。やはり山田洋次監督の描く家族はホッコリします。
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