きゅうげん

アバター:ウェイ・オブ・ウォーターのきゅうげんのネタバレレビュー・内容・結末

3.3

このレビューはネタバレを含みます

技術7:物語3といった印象。
奥⇄スクリーン⇄手前の立体感を多用した3Dの視覚効果はニクい演出ばかりでしたし、水中・水上のシーンは4DXのおかげで臨場感マシマシ。

前作を踏まえての復讐劇、とパーソナルに的をしぼったためストーリー自体は非常にタイト。テーマも家族愛、とくにジェイクとクオリッチ大佐との「父性」に二軸化され分かりやすいです。
しかし「家族を守ること、それが父親の役目」と繰り返しながらも、ろくに次男坊や養女を気遣えないジェイクは、ダルい親父ここに極まれりって感じ。
むしろ、憎まれ口を叩きつつもお互いどこか放っておけずに……というクオリッチ大佐とスパイダーとの方が、父子の成長ドラマとして健全に映ります。
(ジェイクの話は正直1で終わってるので、これからは大佐の物語に期待!)

「故人の記憶の移植」というSFタームについては、大佐がそんな親子関係を割り切ろうとする言い訳程度の働きでしたが、これ前作の「人類アバター計画」と同じくらい科学倫理的に重大な問題じゃないですか。キャメロンはそういうSF的おいしさは全く無視しますよね……。
それに前作で典型的な先住民イメージに依存していた点は、今回でも海=ポリネシアンとステレオタイプの再生産に甘んじています。
あと画が前作以上にジブリすぎ。というか人型パワードスーツ(=『エイリアン2』)、フヨフヨ軟体動物(=『アビス』)、転覆する巨大船舶(=『タイタニック』)と、キャメロン自身のデザインセンスがこり固まってる気がします。
パンドラも地球すぎるし、ナヴィも人類すぎるし。SF的にノれないんですよね〜。まぁここから銀河レベルの話になるらしいですけど。

ところで、こんなに反捕鯨を打ち出した内容なのに監督・俳優をイルカショーに招待って……。
ウォルト・ディズニー・ジャパン正気か???