美容整形手術をして帰ってきた母親の行動や言動が、以前と少し違うことにとまどう双子の兄弟。その違和感は日に日に増して行き、もしや別人と入れ替わったのではと疑うまでに。
そしてとうとう、二人は”母である女”の秘密を暴く為に行動に出る。
勘の良い人、もしくはホラー映画やサイコスリラーをよく観ている人は、早い段階でたやすくオチが読めるだろう。
しかし、オチの陳腐さを補って余りある魅力がこの作品にはある。
牧歌的な映像とハイセンスな家での日常風景の中で徐々に浮かび上がってくる、不自然さと異様な光景は、普通のホラーとは違った芸術性の高い不気味さを味あわせてくれる。
もう一つ特徴的なのが、台詞の少なさだ。
今作の芸術性の高さに寄与しているのは勿論のこと、観る側にストーリーの謎を解かせる為のヒントとして最小限かつ効果的に使われている。
ストーリーに関して言えば、かなりチェンジオブペースが激しい。
これが本筋と思いきや、ただの伏線。
上品な雰囲気で進んで行くと思いきや、多少痛い。
ただ、一風変わったセンスの良さはある。
たまには趣の違うホラーが観たいという人におすすめの一本だ。
(2016/4/9)