めかぽしや

ブリッジ・オブ・スパイのめかぽしやのレビュー・感想・評価

ブリッジ・オブ・スパイ(2015年製作の映画)
3.8
時は戦後、アメリカとソ連の冷戦の真っ只中の1950年代。
アメリカでもソ連でも敵国におけるスパイ合戦がひしめいている世の中。
アメリカ国内でソ連のスパイ、アベルがFBIに逮捕される。
死刑を強く望む国民の中、ある思惑を胸に保険弁護士あがりのドノバンがアベルの弁護をすることから話しは展開していく。

スピルバーグ×コーエン兄弟の見応えのある作品でした。

劇中、印象的なシーンが数々あります。
中でもアメリカ国民たらしめているものは憲法である事。
移民の多い国では特に憲法で秩序を守らなければなりません。
その正義の元でドノバンはアベルを弁護する事を決めるのです。

さて、ソ連でもアメリカ人パイロットが捕まります。
そしてソ連は遠巻きに人質交換を匂わせてきます。

ドノバンが向かった先はベルリン。
ちょうどベルリンの壁が作られつつある時です。
それまでは行き来があったベルリンですが、あまりに西側に人が流れるために物理的な“壁”を作るのです。
もちろん生き別れる人も数知れず。
そしてアメリカ人留学生は東側にスパイ容疑で捕らわれてしまう。

ドノバンとCIAは自国のパイロットとアベルの交換+留学生も交換しょうよします。
CIAは留学生の交換を否定しましたけど。
1対2の交換をどのように行うのかが見ものでした。

スパイの弁護と人質の交換。
非国民と英雄。
いづれにしてもドノバンは任された仕事をしただけ。



そして本作、見応えのある部分は東西ベルリンの当時の状況ではないでしょうか。
境目に面している建物の窓までもレンガで塞いでしまう。
塞がれてない高い窓から飛び降りて脱出する人や下で受け止める人。
壁が完成してから乗り越えようとして撃たれてしまう人々。
再現ですが目の当たりにします。
当時の様子はNHKの新・映像の世紀でも映されてますね。




最後に思ったのはアメリカ人たらしめている憲法があるので銃規制ができない事実があるのは何とも皮肉だな、と。
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