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海にかかる霧のtwitwilightsのレビュー・感想・評価

海にかかる霧(2014年製作の映画)
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ユ・スンモク演じる乗組員のギョングが、スクーターに女性を乗せて港に現れるシーンを観て、強烈な既視感が押し寄せた。この男をかつて見たことがある。明るいが粗暴な物言い、パンチパーマ、ゴム長靴、日に灼けた肌。和歌山県の漁師町で育った自分は、幼少期、こんな大人ばかりを見ていた気がする。HONDAスーパーカブに乗って港に現れる男たち。この映画をいまなお愛してしまうのは、そんなノスタルジアが大いに関与しているからか。ホモソーシャルな共同体として、何とかバランスを維持している社会集団。船内作業をカットバックで描く冒頭部分にして、堪らず涙が零れ落ちるのだ。
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