彦次郎

東海道四谷怪談の彦次郎のレビュー・感想・評価

東海道四谷怪談(1959年製作の映画)
4.0
欲望のままに悪事を尽くす武士に元妻のお岩が怨念的な成敗を果たす鶴屋南北原作による古典怪談。
毒により顔が崩れと怨霊として復讐する様はかなり怖いです。彼女自身には一片の咎は無く怨霊化しても妹を気遣ったりする優しい心を知ると応援したくなります。
成敗される伊右衛門の悪業が凄まじく、妻になる前の父親と家来を斬殺、兄を崖から突き落とす、妻に毒を盛り按摩共々惨殺、重婚、新妻殺害、共犯者殺害などなど1つでも恨みを買う案件を大量に抱えています。
悪魔の代理人とも言うべき直助(金と女と自己保身への執着が凄い)と関わった事で小心者な悪党が凶悪化していく暗黒の記録としても印象的でした。同情のカケラも持てない美男子悪党を演じた天知茂氏の演技力が素晴らしかったです。
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