十一

エクス・マキナの十一のネタバレレビュー・内容・結末

エクス・マキナ(2015年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

AIの反乱を描いているように見せかけているが、これは性搾取に対する反乱がテーマではいか。あるいは知性をもつ存在を隷属したものとして扱って来た歴史が繰り返されるとの批判か。いずれにせよ、両者が極めて似た構造を有するという着眼点は、なかなかに鋭い。
社長が肉体を鍛えているのも、キョウコと呼ばれるアンドロイドに夜伽をさせているのも、クロークに分解された女体をコレクションしているのも、この男を搾取する側の性の代表として描くための、明快な道具立だろう。主人公の青年についても、観察者という優位な立場からの一方的な関係構築を目論んでいる時点で、実はそれほどの違いはない。いずれも、最後に搾取される側に裏切られ破滅することになるのは物語の当然の帰結だろう。
無機的な建築の不穏さと美しさは見応えがあったが、いかんせん手狭な印象は否めず、ギリシャ悲劇の機械仕掛けの神々が住まうアリアドネの迷宮というより、密室ものの隠微さが漂うのは趣味が分かれるところ。
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