レイが男性になる為のホルモン療法を始めるまでが、娘が男になるという選択が本当に正しいのか悩む母の葛藤やトランスジェンダーとレズビアンの違いが今ひとつわかってなかった祖母が孫娘を孫息子として受け入れていく為の時間、レイが自身の出生の複雑な事実に向き合う事、とこれから新しい彼らの家族の形を築き上げていくための過程になっているのが良い。祖母はレズビアン、母はシングルマザー、娘はトランスジェンダーの息子、と3代にわたり所謂「普通」ではないかもしれないけれど、家族が愛で繋がりあっているならどんな形だって彼らには「普通」に違いない。