ふき

パーフェクト・プランのふきのレビュー・感想・評価

パーフェクト・プラン(2014年製作の映画)
2.5
不審な死に方をした男がもっていた大金に、軽い気持ちで手を出したことで、裏社会から追われる夫婦を描いた作品。
『パーフェクト・プラン』は邦題なので、「どこが完璧な計画やねん!」との怒りはお静めください。

第一幕と第二幕では、偶然大金を手に入れてしまった夫婦をベースに、元の持ち主であるマフィア、マフィアから大金を盗んだのに更に持ち逃げされたチンピラ、麻薬で娘を失った警官の四組が、各々の思惑で動いていく様を描いている。そのズルズルと悪い方向に引っ張られていく展開は、場当たり的で考えも浅いどうしようもない夫婦に対する「ざまああ!」感もあって、なかなか楽しく見られた。
ところが四組の登場人物が一堂に会するところから、つまり最高の盛り上がりに向かってお話が転がりだすところから、展開がどんどん雑になっていく。具体的には公園のシークエンスからだが、それまでで積み上げてきた面白そうな設定を次から次へと投げ捨てていき、結局結末もガッカリ。
九〇分とタイトな尺に、ネタを詰め込みすぎたのだろうか。「ああ、手に余ったんだな」と感じてしまった。

なにしろ、ド田舎の一軒家で五人死んだから本件すべて解決って、いやいや、ないでしょ。特にマフィアはあれだけ大きな組織感を出してたのに、そんな軽く済むわけがない。済ませるなら組織の構造や警察の後始末をもう少しちゃんと描写してほしい。
自業自得感の強かった夫婦の顛末には、開いた口が塞がらなかった。立つ鳥跡を濁すどころか下痢便を垂れ流したままハッピーエンド顔で去っていく様には、清々しさすら感じた。
映画の大部分は悪くない印象だったのだが、結末がガックリ……でした。

地味に気になる点が二つ。
スシ・ナイトってなに? ネタとシャリが上下に重なる様が、性行為を連想させるってこと? ニンジャなの? アット・ザ・バリケードなの? 日本人ならではの感想だと思うけど、すげーノイズ。
あと、スタッフロールの巻きが笑っちゃうくらい遅い。七分もあるんだぜ。
ふき

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