IwaoKatsumura

ビリギャルのIwaoKatsumuraのレビュー・感想・評価

ビリギャル(2015年製作の映画)
5.0
2020 10 22:サブスクで家族試聴。銀さんの勉強のやる気にムラがありすぎるので、ちょっと見てみるか、という感じでみた。

ギャグ要素が強いので銀さんも楽しくみた様子。非常に強くメロドラマなので、実話をベースにしているとはいえ、個人的には抵抗感がないわけではなかったが、頑張ることが前向きな結果に結びつくポジティブな映画だった。

銀さんは最近は水曜どうでしょうにハマっているので安田顕が出ているところには食いついていた。安田顕は裸用員だとは感じていたが、やはり最後は裸になっていて、安定感があった。でも、安田顕の演技はいい。彼自身が空っぽなので、色んな入れ物になれるのだろうか。

親子関係や友達関係、葛藤の組み上げ方などは非常に類型的ではあったが、これが現代のメロドラマのパースペクティブなのであろう。他人をクズ呼ばわりする横暴教師などというのはもう絶滅しているものかと思ったが、政治などを見ていると、日本からはどんどん教養が薄れて反知性的に堕ちていく流れなので、むしろこういうものはこれからが正念場かもしれないな、とも思った。

偏差値の高い大学に入る、というのは別にこれからの社会では美談ではないし、むしろ、その頑張りは他に向けた方が良く、そこは絶対的に見込み違いになっていくはず。我々に必要なのはそのところのアップデートだと思っている。

たどり着いたらそこがスタート、ゴールを決める余裕なんて今はない、と樋口了一も歌っているが、それは、それできつい話なので、フィクションの上では、このくらいの小市民的な幸せが共感されて欲しいと思った。
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