がんちゃん

アベンジャーズ/インフィニティ・ウォーのがんちゃんのレビュー・感想・評価

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なんとかネタバレなしでレビューしてみる…

ヒーロー大運動会にも関わらず全員に見せ場を作るルッソ兄弟の手腕は『シビル・ウォー』で保証済み。彼らが高校の卒業アル委員だったら派閥に偏りなく公平に写真をセレクトしてくれるに違いない(笑)

そして『アベンジャーズ』らしくチームプレーもバッチリ押さえている。特にドクターストレンジのトリッキーな支援魔法によって戦術の幅が大きく広がった。高学歴で似た者同士なトニーとの衝突も期待通り。懐メロしか知らないスターロードと映画オタクなスパイダーマンとのWピーターな掛け合いだとか、アクションだけでなく会話シーンでも各キャラの設定が活かされているのが上手い。RPGで特定のキャラでパーティを組んだ時にだけ発生するイベントを見たみたいな、なんか得した気分。

やはり何といってもGotGチームの合流。明るいノリが良い緩衝材になっていることは言うに及ばず、地球のヒーローを銀河全域に招待してくれたことで作品の壮大なスケールアップにも貢献している。メンバー個々のユニークな能力も魅力。ただしドラックスだけは相変わらず役立たずな点もブレてなくていい(笑)

おまけにワカンダの兵隊を獲得したことで、宇宙でのボス戦と同時に地上では大規模な白兵戦が展開される。スターウォーズでは鉄板の構図。(鉄板すぎてちょっと見飽きたかな…)

しかし本作最大の特徴は、今までmarvelの弱点と言われていた「悪役」にものすげー奴を登場させたこと。
満を持して御登場のサノス様。タマキンフェイスもインパクト大だが、漫画にありがちな「世界征服」とか「世界を闇に覆う」といった意味不明な、バカリズムのコントのネタにされがちな個人的願望は彼の辞書にはない。
彼は「増えすぎた人口を半分に減らして生態系を維持する」ことが目的の超エコロジストな悪役である。エボラやエイズが生物兵器だという陰謀論を思い出した。
「命に大小は無い」という思想はキャプテンアメリカと同じ。ただし綺麗事だけで何も行動を起こさない人類と、最も合理的な手段で問題解決を図ろうとするサノスと果たしてどちらが正しいと言えるのか?『ダークナイト』のジョーカー同様、善悪の価値観を揺るがす悪役ほどタチの悪い敵はいない。

ってことでまだまだ続くみたいです。
次回作『アベンジャーズ4』は2019年5月。
なので本作単体では判断しようがない…

夢と希望を謳っておきながら、ルーカスフィルムを買収してスター"ウォーズ"の新作を作り続けるディズニーの矛盾。そしてMARVELスタジオを買収して今度は"インフィニティウォー"ときた。もはや永遠に戦争やめる気ないよね?(笑)
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