つかれぐま

アベンジャーズ/インフィニティ・ウォーのつかれぐまのレビュー・感想・評価

4.0
17.4.27としまえん#5

明快な勝敗ロジック

ヒーローたちが流れるようなテンポで次々に登場する。このテンポの良さが溜息の出る美しさ。そして思い切ってサノスの物語に舵を切ったことも成功の要因。

ヒーローが全員集合したら、流石にまとまらないだろうと思っていたが、宇宙に散らばるストーンに合わせて、ヒーローたちを分散させた脚本の勝利。

サノス強過ぎ問題に関して言えば、決してチートではなく、所々の勝負は結構紙一重で面白かった。仲間を愛するが故の、また愛する者がいるが故の生への執着が、アベンジャーズの心の隙を産み、ブレのないサノスに敵わないという勝敗のロジックが明快で、「チートキャラだから」という残念さは感じなかった。MCUヒーローの最大の武器「自己犠牲」も今回は封じられた

サノスについて深読みすれば、核兵器の大量虐殺やナチスの優生思想等の人類の愚行のメタ表現か。「サノスにも一理あるな」と思うことが悲劇への第一歩なのだ。

次作への伏線が縦横無尽に貼りめぐられた本作。
「エンドゲーム」鑑賞後に再見すると、また別の面白さなのだろうな。