しえ

スポットライト 世紀のスクープのしえのネタバレレビュー・内容・結末

5.0

このレビューはネタバレを含みます

貧しい家庭では神父を尊敬している。神父が訪ねてくると、神様が家に来たようなものだから、母親は喜ぶ。子供も神父に目をかけられて喜ぶ。
尊敬する人が自分を性的な目で見て乱暴しようとは夢にも思わない。
大人になっても過去の虐待を思い出し、インタビューに答えて涙を流す被害者たち。
記者たちは元神父、被害者たち、訴訟に関わった弁護士にインタビューを行う。
被害者たちからの聞き取りや、弁護士の話から、10人あまりだと思われた加害者が実は数十人、しかも、加害者のリストを新聞社に送られたのにもみ消されたとわかるシーンにゾッとした。
取材の過程であちこちから邪魔が入るけど、それでも屈しない、真実を明らかにしたいという熱意がすごい。
実際の加害者である神父たちだけではなく、虐待を黙殺し、虐待を訴えた別の神父を遠隔地へ異動させていた枢機卿のことも記事に加えようと悪戦苦闘。
ベテラン記者は、同窓生から神父による虐待を記事にすれば、この街にいられなくなると暗に脅される。ベテラン記者は、被害にあっていたのは自分たちだったかもしれない、この街に暮らしていくなら、看過できないと友人に訴える。
読者の半数がカトリックという状況で、神父の事件を取り上げるのは勇気がいることだろう。
被害者たちに話してもらうのは熱意と人柄だと思う。
記事がきっかけでそれまで沈黙していた被害者が話すことができるようになって良かった。
最後に加害者神父の人数や、事件があった都市名がテロップに流れる。
本当に怖い。
しえ

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