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ヘイル、シーザー!のkunicoのレビュー・感想・評価

ヘイル、シーザー!(2016年製作の映画)
3.4
コーエン兄弟苦手組に所属する私ですが(「バーン・アフター・リーディング」は大好きです、あ、あんな駄作を嘘だろこいつって思いましたね?あれ、とても面白いです、私的に)、
ハリウッド黄金期の業界物語だということ、踊るテイタム見たさに一足遅れて劇場へ。

スタジオが絶対的権力を持っていた時代に、主人公は俳優でなければ監督でも無く、そんな彼らを雇っている側だという設定が面白い。その視点から黄金期の映画を見ることが出来るのは魅力的だと感じた。
編集室の雰囲気とかスタジオの全体図を垣間見れたのは中々。

お待ちかねのテイタムだが、その前にスカヨハの強烈っぷりについて一言言いたい。
すゥごかった、あんな役もこなせるって知らなかった、がさつであっけらかんとしている女性像って今まで彼女が演じていたことはあるのかな?
ティンカーベルみたいな衣装着てかわいいな~♡と思っていたら、いつもはセクシーな印象を与えるハスキーボイスでガミガミ文句言い始めて驚愕でした。これがギャップ萌えか~!

テイタムはテイタムで、見事にあのミュージカルシーンではニヤニヤさせて頂いた。
いやあ、楽しかった!!!
この映画の見所の一つって、当時撮られていた作品の特徴をおさえた映画内映画もちゃんと観せてくれるところだと思う。

共産主義な脚本家連盟の言い分もかなり理解できた。
観終わった後すっきりしなかったのは正にこの部分なんだけど、結局スタジオに搾取され続ける雇われの身たちの状況は何も解決に向かっていないという点。
この仕事が好きなら仕方がないだろ!という脳味噌単細胞的な一点張りでブラック化している業界だと思った。
今の日本の映画産業も似たり寄ったりだから余計不満が募るエンディングでした。

いや、でもね、テイタムはよかったよ!テイタムは!悪い子ちゃんっ!って!

あと後ろの外国人カップルがバカうけしてたから分かる人には分かるユーモアなんだと思いました。
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