台湾の作品を続けて。
いじめられっ子のホアン(ウー・チエンホー)、不良のイエ(チェン・カイユアン)秀才で友人も多いリン(トン・ユィカイ)の3人は下校中、偶然同じ学校の女子生徒シャー(ヤオ・アイニン)の変死体を発見する。彼女は自殺なのか。事件の真相を調べ出した3人はいじめが原因なのではないかと疑い始める。
これもまた面白かった。
台湾の映画は邦画とは違う繊細さや瑞々しさもありつつ、韓国映画とはまた違った色味のエグさがあって、もう少し深掘りしてみたいなと思う。
前半はまさに『スタンド・バイ・ミー』的なジュブナイルモノの様相。死という不謹慎でタブー視されるものへの、若さ故の興味本位というあたりも通ずるものがある。
それでいて主人公3人が陰キャ、ヤンキー、人気者という組み合わせなのもまたいい。この事件がなければ関わることもなかった3人が、男子独特のノリですぐに仲良くなってツルむ姿は見ていてワクワクする。高校時代真正の陰の者だった自分にとっては羨ましくもあり、作品としてもこの3人の関係性がオチに大きな意味合いを持たせているのも面白い。
"女子はトイレも友達と行くのに、小さなことで一生恨む"
きっかけさえあればれすぐに仲良くなれる男子3人が挑むのは、全く理解の及ばない女子の謎。
主人公側が男子3人なのに対して、死んだシャー、同級生のチュウ(ウェン・チェンリン)、ホァンの妹ヨンチェン(サニー・ホン)と女子側も3人なのはなんとなくそのあたりの意味合いもあるのかなと感じた。
そしてこの3人がもれなくめちゃくちゃ可愛い。これかなりの見所。
女子達の泥沼いじめ自殺を成敗してやるぜ!なノリの前半から一転、ある出来事をきっかけにサスペンス/ミステリー色が全面に出てくる後半。
予想できたオチではあったかも知れないけど、そこに至るまでのそれぞれの葛藤が丁寧に描かれる。
"みんなが信じれば真実になる"
"俺たち3人の秘密だ"
そして徐々に明かされていく少女の死の真相と彼女の抱えていた思い。
"学校では同じ制服を着て、同じ話をして同じことを信じる"
10代の少年少女たちの多感さと脆さ。そして彼らの置かれる学校という環境の複雑さと閉塞感。そしてインターネットに代表される現代社会での人間関係。
何が真実で何が嘘なのか。彼らの生きる世界のリアルが炙り出される。
切ない結末ではあるけども、人との繋がりに幸せを感じることは間違ってないよな。
"君たちがいればもう一人ぼっちじゃない"
イエ役のチェン・カイエアンがいい奴なうえにめちゃくちゃカッコよくて印象的だった。U-NEXTに他の出演作は無いみたいだけど、もっと観てみたい役者だな〜。