mumbleboy

共犯のmumbleboyのレビュー・感想・評価

共犯(2013年製作の映画)
3.6
今まで観てきた台湾映画とは全く違う作品でした。10代の若者が抱える闇、みたいな事でいうと「牯嶺街少年殺人事件」もそうなのかも知れないけど、牯嶺街の登場人物たちはまだ若干社会性がある所、今作品においては主人公のホアンにはそれが皆無。死体を目撃したという繋がりで初めて他者と交流するきっかけを得る、という特別な状況から始まる友人関係ではあるがホアンにとってはそれがあとの2人が考えている以上に大切なものだった。自分も振り返ってみると中学、高校時代はロクな友人がいなかった。でも悪友でも全くいないよりは全然ましなのかも知れないと考えさせられる。今まで観た台湾映画って内容が悲惨でも観終わったあとは台湾って素敵だな、行ってみたいなって思わせてくれるのがあったけど、今作はそういうのはさほど感じられず、登場人物の心境が前面に押し出されている感じでした。
mumbleboy

mumbleboy