はりす

シン・ゴジラのはりすのレビュー・感想・評価

シン・ゴジラ(2016年製作の映画)
4.5
日本映画専門チャンネルで鑑賞後、今月Amazonプライム・ビデオでも配信開始されたので何度も視聴。

ゴジラに思入れがあるかというとそれほど無かったため、公開当時はスクリーンに足を運ばなかった。ただ公開前のラッシュが出回った時期、映画製作の先輩方がシンゴジについて熱く議論しているのを間近で見ていた。
実際見ると何度も見たくなるような大作で、スクリーンに足を運ばなかった事に後悔する。
日本映画にその筋のクリエーター、俳優人、全てのスタッフが手に手を取り合って成功し出来た結晶のような作品で、観ていてとても愛を感じる。

特にこの作品はアニメで培った庵野秀明のアイデアや手法、持ち味を殺さずに実写でそれを叶えていってるので、スポンサー、許可取りや各部門の合意形成が大変だったに違いない。大風呂敷を広げてポシャる日本映画は沢山ある中、制作部に優秀な人が揃っていたんだろうなとひしひしと感じる。

ハリウッド版ゴジラは、もはやジュラシックパーク化してたので笑いながら観ていたが、こちらは近年の大規模災害で度々明るみになる政府の対応と随所に重なり、腑に落ちるゴジラ作品に仕上がってる。
80年代、ミニチュア撮影や特撮でゴリゴリ仕事していたおじ様達が興奮しながらシンゴジラで酒が飲めてるのだもの、日本映画の歴史に残る作品。

大杉漣さんの優柔不断な総理役、官房長官の柄本明さん、農林水産大臣の平泉成さんをはじめ総勢328名の配役がイメージにぴったりでニンマリする。
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