これ泣くやつ…
スタローン=ロッキーはかつての自分と同じ信念(CREED)を持った、若きライアン・クーグラー監督≒アドニスに伝説の続きを託した。
…うっわなにこのシンクロ率
鳥肌立つわ
1作目と比較すると感じるであろう「クリード恵まれすぎ問題」だが、これこそ現代における新しい主人公像なのかもしれない。
いい屋敷に住めるやつはハングリーさに欠けるのか?
一流企業に勤めてるやつは何かに挑戦してはいけないのか?
現代の若者は過去の偉人が遺した栄光をyoutubeでただ追うことしか許されないのか?
そんなことはないよ。
やりたいことをやればいい。
お釈迦様だってもとは王子様だったんだぜ?
実際、本作も過去作へのファンサービスに終始せず、これまでにない今っぽい演出が光る。長回しは勿論、選手のTCG風パラメーター表示なんかも面白い。
また、今回ロッキーを指導者としてボクシング界に復帰させた功績は大きい。
なぜなら彼は第4、5作目でセコンドを引き受けて2度とも酷い目に遭ったせいで、6では現役復帰以外にボクシングに関わる選択肢がなかったからだ。
これは山田克己から自宅のSASUKE練習マシンを取り上げるようなもので、あまりに残酷である。
作品としての評価も低かった4と5を、7で見事に伏線として回収してみせた点は、シリーズ全体の底上げにも貢献したと言える。
ちなみに、アドニスと同世代の自分は恥ずかしながらロッキーシリーズをまともに観たことがなかった。
この機会にと事前に1〜6を鑑賞し、町山智宏の著作を読み、流れで他の作品を漁るうちに(スタローン祭り)公開からかなり時間が経ってしまった。
ただ、あまり気にせず本作から観てもいい。本作は『ロッキー7』である以上に、『クリード1』という新たな伝説の始まりでもあるからだ。
さあ、何か始めたくなってきたぞ。
とりあえずジョギングしてみよう(笑)