シネマJACKすぎうら

マクベスのシネマJACKすぎうらのレビュー・感想・評価

マクベス(2015年製作の映画)
4.0
シェイクスピアをベースとしつつも、あくまで映画としてのリアリズムを追求したような、絵画のように美しい映像、低音轟く重厚な音楽、マイケル・ファズベンダーはじめとした一流俳優陣の迫真の演技に魅了された。
お妃役のマリオン・コティヤールも、みごとな”美魔女”っぷりで怖ろしいやらウットリするやら。。

マクベスを野望へと誘う”魔女”たちの描写も絶妙。リアリズムをギリギリ壊さない程度に幻想的な演出を成し遂げている。
総じて、凄い!素晴らしい!ってのが率直な感想なのだが。。

それだけに、それだけに、、どうしても気になる点が。
おそらくシェイクスピアの戯曲をなるべく忠実に映画化しようとした為か、”詩的”なセリフがあまりに多く、(映画としては)少々鼻につく。
前述したクオリティ(特に俳優陣の演技)なのだから、”詩的”な部分の7割〜8割を割愛してしまっても本作の面白さを維持することは出来たのではないだろうか。

なにぶん、御大”シェイクスピア”の名を冠し、タイトルも原作どおり”マクベス”を名乗る以上、制作者の意図を超えた”オトナの事情”があったのかも、だが。。

とはいえ、非常に堪能したことに変わりはない。シェイクスピアの四大悲劇については読んだことも、(演劇含めて)観たこともなかったのだが、「マクベス」ってホント面白いね(笑。
世界中の、ありとあらゆる創作活動に影響を与え、引用されているのも解るような気がする。