来夢

イマジンの来夢のレビュー・感想・評価

イマジン(2012年製作の映画)
4.5
これは名作。
なんでかラブストーリーに分類されることが多いけれど、ラブストーリー要素はほんのちょっとだよね。
健常者からの優しさの押し付けって言う社会的な問題を描いているけれど、それを反省させるような説教臭いものではなく、想像することのもつ無限の可能性を感じさせることで、目の見えない彼らは同情される必要のない素晴らしい世界を持っているんだということをストレートに伝えてくれる。
彼らの本当は見えるはずの世界を、見えない(目が見える)人間が奪う権利なんてないんだろうね。
同時に、下手なホラーより余程怖い緊張感のある描写(ただ外を歩くだけなんだけれど)からは、安全性の問題についても考えさせられる。自由に歩き回ってくれって言いたくても、やっぱり現実的には杖を使えって言わざるを得ないんだろうな。でもそれは「健常者の作った社会にあわせて生活してください」っていうお願いであるということを自覚しないといけないね。
考えることは多い映画だけれど、難しく頭を使わなくても自然に入ってくるし、美しさも面白さも詰まっているのでオススメ。
目を瞑って観たくなります。字幕も見えなくなるけど。
来夢

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