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アリスのままでのtaruponのレビュー・感想・評価

アリスのままで(2014年製作の映画)
4.0
自分の記憶が失われる、今まであった自分がボロボロと欠けていく、病気が進行して、意識があいまいにになっていく過程、これがリアルなのかどうかはわからないが、こんなふうに欠けていくとしたらすごく怖い。アルツハイマーや認知症への恐怖っておそらく誰しもが多少は抱えていて、そして私自身も、ガンで苦しむのも嫌だけれど、認知症になってしまったら、周りにも迷惑をかけて自分自身でもわからないことが増えていってどうしたらいいんだろうという漠とした不安を抱えている。
この映画は、そういう気持ちに対して、アルツハイマーになっていくっていうのはこういうことという一つの例をみせてくれている。



以下、ネタバレあり。




いろいろ、自分に引き比べてみてしまう部分が多かった。
短期記憶がどんどん失われていくと、自分が予定してプログラミングしていた自殺すら困難になるんだ。
家族性があって、ほぼ100%発症という家族性のタイプがあるんだ・・・(遺伝子検査の結果はつらい、本人もだけれど、遺伝させてしまった親の方も)でも、アナが比較的冷静な受け止めをしているのがすごいというかもっと葛藤が起こってもよさそうな気がする。

アルツハイマーになったアリスが、病気についてのスピーチをするシーンはクライマックスと言ってよいくらい良いシーンだった。
感情に流されすぎず彼女の心情が語られる、リハーサルをした時のリディアのアドバイスも受け入れたんだなったいうのもわかるし、息子娘に見守られているのも何より幸せ。

いろいろ抜け落ちていった先に、残るのは「愛」
知識や、記憶は失われていっても、感情や情緒は残っていくんだよね。
それは、救いなのかなって思う。



本筋ではないけれど、久しぶりにみたアレック・ボールドウィンが恰幅の良いおじさんになっていて地味にショック。
若い頃イケメンで好きだったのに。
今も、ナイスミドルだけれど、太ったよね.........
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