DarkKnightK

グレイテスト・ショーマンのDarkKnightKのレビュー・感想・評価

グレイテスト・ショーマン(2017年製作の映画)
4.6
「ミュージカル版X-MEN ?!」

フリークス(と敢えてここでは述べさせてもらいます)をショーに担ぎ出し、彼らが町の人々から嫌がらせに合うことから護ろうとするバーナム(ヒュー・ジャックマン)はさながらウルヴァリンの如し。なぜならX-MENは超人類であるマイノリティとそれを恐れる人類の戦いなので、そんな構図を勝手に感じてしまった(セイバートゥースみたいな人も出てたし、バーナムは炎の中から人を助け出すし!)。そんなフリークスに生きる場を与えたことを主軸に話は進み、やがて成功を収めるものの他人の心を省みないバーナムは失うものも大きく。。。最後に彼が気づいたことは?という分かりやすいお話。かなりスピーディーにストーリーは展開されるが、その分人間関係(バーナムとフィリップとか)や各フリークスの背景などが希薄になってしまって残念。104分と潔過ぎずもうすこし丁寧に描いても良かったのでは。

とはいえ、ストーリーで重要なポイントで歌われる曲はどれも素晴らしい。オープニングの「The Greatest Show」から物語に引き込まれる。そしてバーナムが心奪われてしまう歌姫ジェリー・リンドの歌う「Never Enough」は映画を観ている観客も心奪われること間違い無し。そしてバーナムから見放されてしまったフリークスたちの歌う「This is me」の力強さよ!彼らが見世物ではなく自立した人間としての決意表明として心に突き刺さる。それからフィリップ(ザック・エフロン)とアン(ゼンデイヤ)のラブシーンにかかる「Rewrite the Stars」の曲とシーンの美しさといったら(ザック・エフロンなんて駆け出しの頃の「ハイスクール・ミュージカル」では口パクだった事を考えればスゴい成長だ笑。何より「スパイダーマン ホーム・カミング」のあのオタク少女がこんなにも美しくなるなんて!)。そして何と言ってもラストの「From Now On」にこのミュージカル映画の素晴らしさの全てが凝縮されている。レ・ミゼのヒューも素晴らしかったが、それとはまた違った魅力全開。映像も美しいのですが、久しぶりに歌に打ちのめされたミュージカル映画でした。
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