例えば「インディージョーンズ最期の聖戦」で、冒頭のショートストーリーにサーカス団の動物をたくさん乗せた鉄道が出てくる。あのサーカス団移動用の鉄道を考案したのが、この映画の主人公らしい。グレイテストショーマン。実在の人物で、サーカス団を創始した人だそうだ。
映画を見てみると、タイトルの「偉大な」という言葉には幾分揶揄とか嘲笑のニュアンスがあることがわかる。この映画、ハッピー満載の作品などではなくて、主人公が金儲けのために、差別されてきた人達を見世物にするという話で、かなりデリケートなテーマを扱っている。ダイバーシティの機運と関係あるのかな。
主人公が善人でないところが面白い。金儲けのために生き、あくまでその結果として救われた人々がいる。劇中、色々あって主人公がどん底に落とされた時、その仲間たちが詰め寄るシーンが良い。俺たちを自分勝手に救っておいて、こんなことで勝手に逃げるなと。
サーカスとは文字通りテント型の円形劇場のこと。過激でアンダーグラウンドな集団に誰も会場を貸してくれなかった。だから彼らは郊外に自分たちでテントを立てて自力でステージを作った。日本でも芸能の歴史は異端者が支えたと言われるが、これは世界的に見られることなのかもしれない。
美しく力強い歌声を披露する、髭の女性が最高に良かったです。
