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ターミネーター ニュー・フェイトのwhiskeyのレビュー・感想・評価

3.5
Amazon Primeにて鑑賞。
正直、まったく期待していなかったが、思ったより面白かった。

第1作から単純にナンバリングすると、本作は「6」になる。
3以降はどれも評判が良くないが(3と5は内容をまったく覚えていない)、僕は「4」が結構好きで、本作はその次ぐらい。

本作が面白いと思ったのは「過去を変えても未来は変わらない」という設定になっていることだ。
このシリーズの物語は、近未来で人類と機械(AI)が戦争状態にあり、戦局を有利にしようと、機械がターミネーターを過去に送り込むことから始まる。人類側の指導者(ジョン・コナー)を歴史から消すためだ。一方、2作目で人類側は、機械のボスである「スカイネット」の誕生を食い止めることに成功する。
未来を本当に変えられるなら、2作で物語は完結する。だから続編に無理が出てくる。

本作では、スカイネットは生まれなくても別の機械が人類を抹殺しようとする、という話になっている。新しい未来をつくっても、未来の残酷さ自体は変えられなかった。その代わり、ジョン・コナーが死んでも新しいジョン・コナーが生まれる。カイル・リースと同じ命がけの任務を自ら志願する、勇気ある戦士も必ず現れる。「未来を変えられないなら、闘い続けるしかない」というストーリーになっていて、そこは潔いと思った。

以下、少しネタバレになるけど、本作でカイル・リースに当たる役どころのグレースという女性がとても格好良かった。『ブレードランナー 2049』にも出ていた女優さんだね。機械によって強化された人間という設定で、その点は「4」のマーカス・ライトにも似ている。自己犠牲の雰囲気も。
シュワルツェネッガーが味方のターミネーターとして登場する設定は微妙な気もしたが、彼が出るとやっぱりターミネーター感が出てくるね。サラ・コナー役のリンダ・ハミルトンは、設定なのかもしれないが、だいぶ老け役っぽかった。実際、すでに60代後半。でも、だいぶ頑張っていた。
敵のターミネーターは「2」のT-1000型に似ていてどんな造形にも変われるのだけど、変形の仕方が機械というよりはゾンビや妖怪のようだと思った。怖いと言うより気持ち悪かった。

「設定は潔い」と書いたが、ここでシリーズは終わりで良いと思う。
「4」で描かれた未来社会をもう少し見てみたい気もするが、それは「ターミネーター」シリーズではなくてもいいのかも。

とりとめないが、こんなところで。
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