先週末がゴールデングローブ賞(以下GG賞)授賞式だったので、GG賞といえばということで本作。GG賞の授賞式は、アカデミー賞と比較すると、カジュアルなパーティー形式で俳優さんたちが割と素に近い感じ。結構、態度悪いところとかも普通にカメラに捉えられるので面白い。今年のハプニングは、「落下の解剖学」のフランス人監督が受賞スピーチで思いっきり映画の結末のネタバレをしたことで、次の日のマスコミを賑わせていました😅
話戻して本作は、俳優マーク・ウォールバーグとその連れたち(＝アントラージュ)をモデルに、ハリウッド・スターの素の生活を描いた2000年代を代表するアメリカの国民的ヒットドラマの劇場版完結編です。こういう大ヒットドラマの中には、最近の配信環境の中で根強い人気を維持する作品も多くありますが、本作はそうではなく「今となってはなんであんなに夢中になったのかわからない」作品の代表格であります。その理由は後ほど。
まずは、これはドラマを観てないと全く面白くないかな。ただ、全部観ている必要はなく、何シーズンか観ているだけで十分だと思います。いかにもこのドラマらしい、このドラマに典型的な場面や展開が繰り広げられていくので、「そうそう、これでこそアントラージュ😊」となります。一方で、本当にドラマで愛され繰り返されてきた要素が凝縮しているだけなので、映画版だからといって何か新しい特別感みたいのは全くない。初めて観る方は豪華なカメオに驚くかもしれないけど、これもドラマ版の時からの平常運転。そうはいっても、シリーズ中最も人気のある回の結末を再現したGG賞授賞式のラストシーンは感慨深く、胸がいっぱいになります。
このシリーズの最大の魅力は、やはりハリウッドスターの私生活を覗き見れることに集約されます。実在の人々をモデルにし(ただし、モデルの方がヤバすぎるのでむしろドラマ化ではマイルドにしてあるらしい🤣)、撮影で使われるレストランやお店なども全て実際にハリウッドスターご用達のスポットです。
このシリーズが8シーズンで終わることにはマンネリ化で人気が落ちたと言われていますが、その後の配信化でも返り咲くことがなかったのはやはり時代の変化。2010年代に入ると有名人が私生活を切り売りするタイプのリアリティ番組が多く出現し、またそうではないハリウッドスターたちもSNSアカウントを通じて私生活を発信するようになったため、このシリーズが提示するものに特別感がなくなってしまったという要因が大きいと思います。
というわけで映画としては普通の出来ですが、ドラマシリーズの劇場版完結編としては十分仕事を果たしていますので、ドラマ観たことあるけどこちらを観てない方はぜひ📽️🎬
