どーもキューブ

日本暴行暗黒史 異常者の血のどーもキューブのネタバレレビュー・内容・結末

3.7

このレビューはネタバレを含みます

若松監督のとある殺人者クロニクル




1967年作。
助監督沖島勲、
スチール小水「ガイラ」一男(両者のち監督になる)
脚本出口出。
監督若松孝二。



DIGレーベルから発売されている若松孝二監督初期作品集。
今までビデオ化だが鬼レアやセルオンリーDVDだったのでなかなか見れない作品郡でありました。

自主で日活ロマンポルノ前から60年代アングラポルノを撮り続けてきた若松孝二監督。

私は東映ビデオ発売の鬼レアビデオを数年前にまとめて見て驚愕。

「犯された白衣」の唐十郎とスプラッター
「復讐鬼」の凄みある猟奇殺傷ポルノにみえないホラー。これは日本ホラーの傑作だと思ってます。DVD欲しい!


ホラー映画たる趣にびっくり。ATG時代の学生運動期の若松作品の頭でっかちな作品が最初に見た若松作(ATG文庫ビデオ、今鬼レア「天使の恍惚」)品だったんで、あまりにも素晴らしくて見たい衝動があがって沈下忘却していた。

そんな感じの若松孝二監督初期を見進めるDIGレーベル「異常者の血」鑑賞となりました。



この年代記ならぬクロニクル具合は、石井輝男の1969年「明治、大正、昭和猟奇女犯罪史」のよう。

本作色々調べると監督曰くヒットしたらしい。
石井輝男も若松監督の本作を受けて制作させられたのかしら?

物語は、とある事件を追うデカのナレーション。とある犯人から浮かぶ、古来より在る異常者の血・殺人者の血の系譜があるという。とある刑事は故郷に帰りその血筋を絶つべく、ドラマは遡る、みたいなわりとミステリー調な出だしから、パートカラーになり絡みポルノタイムに入る3話オムニバス構成のよう。

主演のイケメン、野上正義の目が素晴らしく冴えている、異常な血に相応しい。それぞれの時代で演じている。
この野上さんを調べると自主ポルノ1000本級でびっくり。2000年に入って亡くなる前までポルノに出演されていたという。
本作の前は、あの本木荘二郎ブロデューサーに見据えられ1963年ごろから地下ポルノで活躍され生涯貢献されたという記事を読む。
確かにイケメンで、この目力、演技なんでひっぱりだこだったんでしょうね。
ちなみに息子さんが、今もAV大人男優のトニー八木さんだそうでこちらも小さい衝撃。

女優さん山尾啓子がクロニクル演技。

さすがに歴史観ださない為低予算なだけに馬小屋や川べりの絡み、障子部屋と限られた空間はいなめない。

ラスト再び完結相応しい現代にもどる帰結にお客さまに良く届いたのでは。
脚本家の出口出こと足立正生は、行商人役で冒頭出演、わからなかった。

エロスは影をひそめ手堅くまとまるサスペンスポルノにみえました。


 
さて
若松監督のとある殺人者クロニクル

ぜひ

追伸
DIGレーベルさん!感謝です!

本日ブログ執筆
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