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ブルックリンのgのレビュー・感想・評価

ブルックリン(2015年製作の映画)
4.0
時代は1950年代。
聡明で優しい少女エイリシュは、単身でアイルランドからアメリカへ移住することになる。

当時の女性がアイルランドからアメリカへ移住するという決断は物凄く大きいものだった、ということがよく伝わってくる。アイルランドに母と姉を残し、たった一人で異郷に赴く彼女の不安、そしてアメリカへ寄せる希望。エイリシュが大きな決断をした、というのは時代背景を感じさせるし、後々のストーリーにも効いてくる。

そして、アメリカへやって来る。新しい世界に戸惑い翻弄されながらも、少しずつ大人になっていくエイリシュの姿が素敵。船旅も辛く、仕事にも馴染めず、そんな中届く故郷からの手紙を読んでホームシックになったり。それでも健気に頑張っていく彼女の姿。そうやっていく内に、とても優しい恋人が出来たりして、服もメイクも少しずつ洗練されたものになっていく。このプロットはありがちだけど、女性目線で観たらやっぱり憧れるし、応援したくなる!!

そして、あることをきっかけに、エイリシュは故郷とアメリカのどちらに住むか揺れ動き始めるのだけれど、そこが切なすぎる。

どちらの街にも、大切な人がいて、エイリシュにとって大切な街であることに変わりはなかったはず。二つの地での生活、人間関係で悩む彼女の涙には思わず胸が詰まるものがある。

エイリシュ決断は果たして、彼女にとって最善だったのか。それは多分、最後の彼女の笑顔が物語っていると思う。

人生は選択の連続、なんてよく聞くけど本当にその通り。人間誰しも「あの時こうしていれば」なんていう後悔も、「将来迷っている」なんていう不安も多々ある。
人生を選択するには大きな決断と時間が必要。だから自分の選択した道を後悔するよりも、次の選択肢に目を向けることの方が大切だし、自分の決断を信じなければ人生やっていけないな、とそんなことを感じた映画だった。

エイリシュの未来が輝かしいもので、あの選択が幸せなものになると信じたい。
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