KnightsofOdessa

ソング・オブ・ザ・シー 海のうたのKnightsofOdessaのレビュー・感想・評価

3.0
えー、私、『崖の上のポニョ』がどんな話か全く知らんのですが、私の中のイメージはこんな感じです。違ったら教えて下さい。

冗談はさておき、本作品は前作『ブレンダンとケルズの秘密』と似ている部分がかなりあった上で、前作の森に加えて海が登場するという、ロバート・エガースみたいな進化をしてて笑えてくる(灯台まで出てくるし)。こういうときにすぐエガースを引き合いに出すのはそろそろやめにしたい。キーアイテムはケルズの書から法螺貝に引き継がれ、神秘的な"長い髪の人"も再び登場し、孤独な少年の物語が紡がれていく。石になった妖精を踏んで次のステージに行くときに妖精が声をかけるシーンで、『サマーウォーズ』の終盤を思い出してしまった。"私のアカウント使って!"的なやつ。

ただ、兄妹の話に全振りしてて母親関連の挿話がごっそり省かれているのはどうなのか。なんで失踪したか、なんで今また現れたのか、謎だらけすぎて石から妖精が解放される感動的なシーンも、誰も悪者にしない展開も頭に入ってこなかった。唯一覚えているのはクーの脚力と肺活量が厳ついことくらいだろう。彼は精霊とか関係ないただの犬なのに反抗する少年を引きずりながら池の深くまで潜り、精霊の力的サムシングがあるとは云え一度も休憩を挟まずに街から灯台まで行く脚力と肺活量があるんだから、私も飼いたい。そんで自宅と駅の送り迎えしてほしい。
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