がんちゃん

スター・ウォーズ/最後のジェダイのがんちゃんのレビュー・感想・評価

3.5
本作のテーマは「失敗」である。

ヒーローの成長過程において「失敗」とは通過儀礼であり、避けては通れない試練である。
従って3部作の2作目では決まって「失敗」や「試練」が描かれる。EP2ではアナキンが母に執着したことで映画史上屈指の悪役ダースベイダー誕生のきっかけになった。EP5ではルークが仲間の為に修行を放り出してダースベイダーに挑み敗れた。
という訳でEP8もそんな位置づけだろうと予測はしていたが、なんと頭からからケツまでシームレスに味方の失敗が続くという、ハラハラなのかイライラなのか分からない作品だなー‼︎

冒頭からポー・ダメロンが退却命令を無視して作戦を強行したことで反乱軍に多くの犠牲者が出てしまう、という失敗から物語は始まる。叱られるポー。
…ていうか昔から反乱軍はもれなく特攻野郎ばかりだったけどな!姫よ、貴殿も若い頃は中々ゴリってましたよ?顔も。あとローグ・ワンって知ってる?
ただ、叱られたポーは終盤でちゃんと行動が変化する。将の器として次作での活躍に期待できそう。

マスター・ルークも失敗する。父ダースベイダーが生まれたように、彼もカイロ・レンという怪物を生み出してしまう。本作では老いたルークにオビ=ワン師匠の姿がこれでもかと重ねられる。R2D2の「反則技」が感動的だったが、皮肉屋の彼はジェダイが失敗を繰り返していることに気づいているのではないか。
そんな意気消沈のルークに対し「失敗は付き物だよ〜」と優しく励ますあのお方が満を持して登場!700歳超えて失敗した超老害に言われたくないが、年の功ゆえの説得力で思わず泣ける。
そしてEP8という失敗を糧に次作で頑張ろう、というメタ的なシーン…笑

失敗といえばEP7で1人先に失敗を経験した人物がいた。そうカイロ・レン。
神話では昔から「父親殺し」をした者は英雄になると決まっている。創造主を超えることで一皮向けて男になる訳よ。
ということで本作1番の見所はカイロ・レンだったりする。彼にはもう心の父ダースベイダーのコスプレは必要ない。前作ではあんなにデカい顔をしていたアイツもよく見たらただのパジャマを着たジジイ。レイちゃんとの出会いチャットもばっちし決めるぜ。
厨二男子の暴走は誰にも止められない。EP9では闇の王子として覇道をいってほしい。
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