ひじぴー

スター・ウォーズ/最後のジェダイのひじぴーのネタバレレビュー・内容・結末

3.0

このレビューはネタバレを含みます

作品単体としては,出来が良く面白いのだが,『スター・ウォーズ(Star Wars)』シリーズを見続けてきたファンからすると,あれ?と思うシーンが度々出てきて,批判したくなる作品かもしれない.作品単体としては,CGのすごさ,音楽,パラレルで進むストーリー展開など,見ごたえ十分である.しかし,あれ?と思うシーンが出てくると,どうもそれが気になってしまい,以降のストーリーが頭に入らなくなってしまうのも否定できない.
作品単体としての魅力としては,前作から引き続きレイの魅力にある.容姿はもちろん,表情や,肉体の若さ・しなやかさなど,これ以上のヒロインはない.新キャラのローズであるが,アジア人をここまで重要な役に抜擢したのは初めてではないかと思われる.ダイバーシティーにあふれる共和国の魅力をより高めていると言える.
次に,あれ?と思うところを紹介する.本作では,テレパシーによる交信のシーンが度々出てくるのである.これまでの作品で出てきたフォースって,こんなテレビ電話みたいに明確に会話できたっけ?というのが,ひっかかるところである.ここまでできてしまうと,互いに互いのことが丸見えなのでは?という,映画にはあってはならない状況になってしまう.
変わり切ったルークに,納得いく説明がない.弟子の育成に失敗しただけで,ここまで変わってしまうの?というのが疑問.ジェダイの存在が,明らかに人を不幸にしているぐらいの事件がないと,ここまで変わってしまうことに対して,説明がつかない.また,ルークがラストに出てくるのだが,それが実物でなく,ただの分身(映像).なぜ出てきたのかもよくわからず,しかも,戦った後,なぜか力尽きて消えていくという,理不尽さ.
新キャラのローズであるが,フィンが自己犠牲で敵の母艦(戦車?)に特攻するところに,なぜか横から突っ込んできて邪魔してしまう.自分がそれで死んでしまうのだが,そんなに危険な行為なのだったら,フィンも死んでしまうとこだっただろ!とツッコミを入れたくなってしまう.
そして,最強の悪キャラであるはずのスノークが,裏切ったカイロ・レンによりあっさり死んでしまう.裏切りという行為がかなり重い行為であるはずなのに,それに対して批判をする間も与えられずに死んでしまうのは,せっかく作ったスノークのキャラがもったいなさすぎでは!?しかも,レイとの戦いの最中に裏切ったカイロ・レンが,改心したのか!?と思ったら,急にボスがいなくなると,自分がボスになる言い出す不自然さ.善と悪の葛藤が描き切れていない中での裏切りという描き方にはかなり失望させられてしまった.
などなど,上映時間の長さの割には納得いくストーリー展開になっておらず,駄作と言われても仕方のないところかなと思ってしまった.