ShinMakita

夜の人々のShinMakitaのレビュー・感想・評価

夜の人々(1948年製作の映画)
3.4
☆mixi過去レビュー転載計画(ノンジャンル編)
…ここ10年で購入したDVD.Blu-rayのレビューです。




「一緒に映画を観に行きたいな。暗闇で手を繋ぐんだ」

「いつの日にかね」





〈story〉
脱獄囚たちがクルマを奪い、アジトに潜伏する。銀行強盗の暴れん坊チカマウ、泥棒のTダブ、そして殺人罪で収監された23歳になる若者ボウイの3人だ。彼らはテキサスの田舎町ゼルトンで銀行強盗を働くが、逃亡中にクルマが事故り、ボウイが怪我を負ってしまう。アジトで静養することになるボウイを看病するのは、チカマウの姪キーチ。彼女は犯罪者を軽蔑していたが、優しいボウイに惹かれていく。ボウイもまた彼女を愛してしまい、強盗で得たカネで弁護士を雇い殺人の無実を証明しようと夢見るのだが…


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素朴で純粋で美しい愛を語り合うも、犯罪者であることから逃れられずに苦悩する若者たち…巨匠ニコラス・レイの処女監督作品ですが、世界で絶賛された映画です。当時量産されたドライタッチの犯罪映画…いわゆる狭義のフィルムノワールとは異なり、主人公たちに同情する優しさが滲みでていました。
ロバート・アルトマンの「ボウイ&キーチ」はこれのリメイク。アメリカンニューシネマ的な作品ですから、70年代にリメイクされたの必然でしょうかね。もちろん「俺たちに明日はない」「地獄の逃避行」「トゥルーロマンス」の原型であることは言わずもがな。ラスト、部屋へと歩いていくボウイの切ない背中。そしてアップになるキーチのなんとも言えない寂しい表情…
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