Otun

今朝の秋のOtunのレビュー・感想・評価

今朝の秋(1987年製作の映画)
4.8
これがまた、もぅどえらい傑作。
後輩おすすめ映画じゃないけどねシリーズ、山田太一作『今朝の秋』。

物語。蓼科の山荘で一人暮らす老人(笠智衆)。彼の元に息子の嫁(倍賞美津子)が訪ねてくる。そして、息子(杉浦直樹)は余命3ヶ月だと知らされる。
息子の病をきっかけに離ればなれになっていた家族の繋がりが改めて浮き上がるー

笠智衆、杉村春子、杉浦直樹、樹木希林、倍賞美津子と、もう、名優達の超絶繊細な佇まいが本当にたまらない。
登場人物達にしっかりと各々の事情があり、バラバラになっていた現在の家族の説得力に。
そのバラバラさ加減が、息子の病をきっかけにパズルのピースを埋めるように少しずつ『家族』に戻って行く様が胸を打つ。

笠智衆さんと元嫁の杉村春子さんの久しぶりの再会のシーン。このどうしようもない感w。老人なのに二人ともむちゃ子供っぽい。「ちっとも変わらん」、笑った。

後半。己の死期を悟った杉浦直樹さんに笠智衆さんの言葉。
『蓼科、行くか?』。
あわわわわわわ。
泣くわ。泣くに決まってるわ。ドラマ史に残る名シーン。
とまぁ、挙げればきりがないほど名シーンばかりの作品でした。
皆で歌う恋の季節とか。あと、運転にハラハラ集中している樹木希林さんとか、ヅラ直しとか笑。

映画でないのに申し訳ありませんが、
ほんとに、とんでもない傑作ドラマなのでこちら超絶にオススメさせて頂きます。
今作教えてくれた、後輩に心から感謝です。
ありがとう。あー、心地よし。
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