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追憶の森のSSDDのレビュー・感想・評価

追憶の森(2015年製作の映画)
3.6
◼︎概要
アメリカ人の男性は荷物も持たずに富士の樹海に行き、人生の幕引きを考えていたが目の前にボロボロの日本人男性が現れて迷っていることに気づき、脱出を手助けを始める…。

◼︎感想(ネタバレなし)
渡辺謙とマシュー・マコノヒーによる非現実的な世界観を名演により現実的に描く作品。

樹海を彷徨いながらアメリカ人男性は自分の過去を思い出していくことで、樹海に来た経緯が明らかになっていく。

サスペンスと銘打たれていたので観たが、まったくサスペンス要素がなくて騙された。なんてことしてくれる平日の最後に感動させてくるなんて信じられん。
もっと胸糞悪いサスペンスを期待したのに…と思ったが実はこの作品ストレートに受け取っていいのだろうか…。

私なりの解釈をネタバレありには書いておきます。












◼︎感想(ネタバレあり)
・妻=中年のおっさん
日本人の自分でどうしたらいいのかもわからないおっさんが現れて、妻の名はキイロ、娘はフユだと言った時点で、もう幻覚か、死人かいずれかなんだろうな。…とは思ったがヘンゼルとグレーテル、好きな場所は水辺など、回想シーンで出てくる妻の台詞と重なることから、罪の意識から想像した幻覚。

妻からもらったコートをかけるシーンもあり、謝り続けたことから完全に妻に対して償いの行動である。

なぜ中年のおっさんなのかは女性であれば浮気した経験から妻以外に触れたり介抱することは意識的に許されない。
子供の場合、妻への罪の意識の反映には向かないため、ディスカバリーチャンネルなりサイトでみた日本人のおっさんが投影されたと思われる。

・煉獄
私の説だと、主人公はすでに岩の上で薬を飲んだ時点で他界している。
死者が天国と地獄のいずれかに行くまでの待合室みたいな世界に既にいて、おっさんとの旅路はもう死後の世界である。

その中でおっさんを助けて妻への贖罪を果たすことで生きる希望を持ちながら、天国(生還した後の状態)で妻を思いながら過ごしているのではないかと思う。

何故なら薬をあれだけ飲んだ状態で一度寝たら起きるわけもない、そのまま眠るように死んでしまったかまたは彷徨う内にどこかで寝て死んだと思われる。

私的な解釈では煉獄での贖罪を遂げ天国に行くまでの物語だったと解釈したため、不自然にご都合なことが起こり得ていたと思いました。
そう考えるとなかなかホラーなので楽しめました。
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