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追憶の森のRyuのレビュー・感想・評価

追憶の森(2015年製作の映画)
3.6
自殺するために青木ケ原樹海にやってきたアメリカ人のアーサー・ブレナン。彼は同じく自殺しようとしていたが、気が変わり、樹海から抜け出そうとしている日本人のナカムラタクミという男性と出会う。負傷しているタクミを放っておけなかったアーサーは彼と行動を共にし、自身のことを話し合い、人生を見つめ直していく。

日本の樹海を舞台にしたガス・ヴァン・サント監督による作品です。
第68回カンヌ国際映画祭にて上映された際に、多数の観客からブーイングを浴びてしまったそうです。ブーイングはちょっと可哀想かもしれませんが、評価が高くないのはまぁ頷けますかね。
日本人としては樹海=自殺の名所というのも分かりますが、海外からしたら「はぁ?」って感じだったんでしょうか。後は基本、樹海での2人芝居なため、普通に退屈に感じしまった点とかですかね。日本の樹海に英語ペラペラの日本人がいるのも違和感ありますし、樹海のロケーションもなんか日本っぽくなかったです。それもそのはず、撮影はほとんどがアメリカで行われたそうです。
スピリチュアル色が強めなストーリーは別に嫌いではないので、程よく楽しめたかなぁ と思います。タクミの妻と娘の名前のくだりとか、最後に繋がることは色々ありますが、まぁ想定の範囲内だな という印象です。ジャケに書いてある「全ての謎が解けた時、あたたかな涙があふれる感動のミステリー」。そんな謎って言うほどのミステリアスな要素は強くなかったと思いました。
違和感や多少の退屈感はありましたが、じわ〜っと沁み渡る静かであたたかな感動はある作品でした。
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